ビジネスチャットの必要性・メールとの違いや導入の注意点

ビジネスチャットは業務連絡の迅速化やテレワークの導入時に役立ちます。
この記事では、ビジネスチャットとメール・LINEとの違いや導入するメリットについて解説していきます。 ビジネスチャットを導入して業務効率アップを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事の目次】
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットとはテキスト(文字)により、メールよりも手軽にコミュニケーションが図れるツールです。
ビジネスでは電話連絡も多いですが、記録に残らない点や互いの予定を合わせなければならない点が課題として挙げられます。 ビジネスチャットであれば、送ったメッセージは履歴として残るため「言った言わない」の論争になる心配もありません。 ビジネスチャットの利用によってこういったトラブルを防ぐと、従来よりもプロジェクトを迅速に遂行できるようになります。
また、メッセージを送っておけば相手側は自分の都合のよいときに返事をすればよいので負担が少ない点も魅力です。 お互いがストレスなくスムーズな連絡をする上で、ビジネスチャットはとても役立つのです。
ビジネスチャットへの理解をより深めたい方は、テキストで連絡を取り合うメールやLINEとの違いについても知っておくとよいでしょう。
- ①メールやLINEとの違い
- ②メールとの使い分け
- ③LINEとの使い分け
以上3点を解説していきます。
メールやLINEとの違い
メール・LINE・ビジネスチャットのそれぞれの特徴は以下の通りです。
- 【メール】
- ・メリット:1対1・1対複数人へ連絡できる、既存のシステムが利用可能
- ・デメリット:相手が読んだかどうかわからない、リアルタイムの連絡には適していない
- 【LINE】
- ・メリット:1対1・1対複数人で相互に連絡できる、定型文がなく気軽に連絡できる
- ・デメリット:プライベートとの線引きが難しい
- 【ビジネスチャット】
- ・メリット:1対1・1対複数人で相互に連絡できる、定型文がなく気軽に連絡できる、セキュリティ面の安心感がある
- ・デメリット:ツールの導入が必要
ビジネスにおいて安全にそして気軽にコミュニケーションをとりたい場合には、ビジネスチャットがおすすめです。
メールとの使い分け
ビジネスチャットを導入する際に悩む人が多いのが、既存の連絡手段であるメールやLINEとの使い分けです。 メールやLINEを廃止するのも一つの手ですが、いきなりすべてをビジネスチャットに移行するのは難しいものです。 使い分けについて理解し、社内のコミュニケーションが複雑化・分散化しないようにしておきましょう。
使い分け方としては以下5つがあります。
- ①社内と社外で分ける
- ②履歴を残したいかどうかで分ける
- ③人数で分ける
- ④連絡の頻度で分ける
- ⑤緊急性で分ける
社内と社外で分ける
社内の業務連絡をビジネスチャット、社外との連絡をメールで行う方法です。 ビジネスチャットは挨拶文などのかしこまった文章が必要なく、手軽に連絡できるからです。 伝えたいことを簡潔にそしてスピーディーに伝えられるため、ビジネスチャットの利用によって業務効率アップにつながります。
一方で、ビジネスチャットの気軽さを「礼儀がない」と捉える人もいます。 そのため、社外との連絡ではメールを使用して挨拶文などのマナーを守ったコミュニケーションが望ましいでしょう。
履歴を残したいかどうかで分ける
履歴を残したい場合にはメール、残さなくてもよい場合にはビジネスチャットを使う方法です。 ビジネスチャットでは個々人が送信したメッセージの削除・編集ができ、履歴を残すのには向いていないからです。 重要な取引を行う際など、互いの合意が必要な場面ではメールで履歴を残すのがよいでしょう。
ただし、ビジネスチャットを利用する場合であっても、デジタルファイルを共有して内容を確認するなどの工夫をすれば契約の証拠を残せます。 デジタルファイルの契約書にて契約を行うサービスも併用すればさらに安心でしょう。 自社の方針によって使い分けてみてください。
人数で分ける
複数人と相互に連絡したい場合にはビジネスチャット、複数人に周知したい時はメールを使う方法です。 ビジネスチャットでは複数人と連絡を取り合える「グループチャット」という機能があります。 互いに既読したかどうかや、返信の内容をグループ全体で共有できます。 ビジネスチャットは一方通行ではなく、相互に連絡を取りやすいです。 グループ全体で1人の発言を共有できるため、意見交換や議論をしたい時、業務の進捗状況をプロジェクトメンバーと共有したい時などに有効です。
連絡の頻度で分ける
連絡する頻度が高い場合や数が多い場合にはビジネスチャットを利用し、1度だけの場合にはメールを使う方法です。 ビジネスチャットでは、グループを作成しておけば気軽に連絡できるため、定期的に連絡したい場合に便利です。 メールはその都度、宛先の入力が必要になるので1度限りの連絡に適しています。
緊急性で分ける
緊急の連絡をしたい場合にはビジネスチャットを利用し、緊急性が低い場合にメールを利用する方法です。 ビジネスチャットの方が、通知がきた際にすぐに内容を確認する人が多い傾向にあるからです。 挨拶文などを省けるので入力の手間が少ないのも魅力でしょう。
ただし、細かいニュアンスまで伝えたい場合や伝わりにくい内容の場合には、電話の活用も検討するようにしてください。
LINEとの使い分け
LINEとビジネスチャットの大きな違いとしては以下3点が挙げられます。
- ①プライベートとの区別のしやすさ
- ②セキュリティ面での安心感
- ③システム導入の手間
プライベートと区別したり、セキュリティの高い連絡手段を使用したりしたい場合にはビジネスチャットがおすすめです。 ただ、ビジネスチャットの導入には手間やコストがかかるため、手軽に利用したい場合にはLINEの方が適しています。
LINEとビジネスチャットを併用するのであれば、仕事の連絡をする際にはビジネスチャット、雑談をする際にはLINEを使うのがよいでしょう。 このような使い分けをすると、ビジネスにおける情報漏洩を防ぎつつ、気軽な雑談を促すことで社内の団結力も高まります。
ビジネスチャットを導入する目的・必要性
ビジネスチャットの導入を考える際の悩みとして多いのは「メール・電話・LINEがあるから導入の必要はないのでは?」という内容です。 結論から言うと、気軽な連絡での使用や安全性の高い手段を使いたい場合、プライベートとの区別をしたい場合にはビジネスチャットの導入がおすすめです。
また、ビジネスチャットを導入する企業の目的としてはコミュニケーションの円滑化が挙げられます。 ビジネスチャットならプライベートとの線引きがしやすく業務に集中できますし、メールや電話よりも気軽な連絡ができるからです。 社内におけるコミュニケーションのスピードが遅いと感じていたり、社員の生産性が低いと感じていたりするのであればビジネスチャットの導入がおすすめです。
次章ではビジネスチャットを導入するメリットを紹介しますので、こちらも参考にしてみてください。
ビジネスチャットを導入する際の注意点
ビジネスチャットのメリットデメリットを理解した上で「導入したい」と感じた方もいるでしょう。 導入を成功させるためにも以下4点について注意するようにしてください。
- ①目的を明確にして社員に周知する
- ②目的に沿ったツールを選ぶ
- ③チャット使用時のルールを決めておく
- ④最初は試験的に導入する
①目的を明確にして社員に周知する
ビジネスチャットの導入に失敗する要因として大きいのが、社内に浸透しないことです。 現状でも電話やメールなどの連絡手段によって、問題なく業務を進められているからです。
社員からすると「なぜわざわざビジネスチャットを利用するのかわからない」「使い方を覚えるのが面倒」といった気持ちになります。 どのような目的でビジネスチャットを導入するのかを社員に周知して、理解を得るようにしましょう。 その際には「挨拶文が不要なので連絡にかかる手間を省ける」などと、社員にとってのメリットも提示すると効果的です。
②目的に沿ったツールを選ぶ
ビジネスチャットツールには複数のサービスがあります。 それぞれ特性があるため、導入目的に沿ったものを選ぶようにしましょう。
たとえば「コミュニケーションを円滑にして業務効率アップを目指す」という目的を掲げたとします。 この場合には、画面が見やすく操作が簡単なツールを選ぶのがおすすめです。 ついつい多機能のツールを選んでしまいたくなりますが、多機能であればあるほど画面が複雑で操作が難しい傾向があります。 自社のコミュニケーションで必要だと思われる機能をピックアップし、最低限の機能を備えているなるべくシンプルなツールを選ぶとよいでしょう。
このように、目的によってツールを選ぶことで自社の課題解決につながります。
③チャット使用時のルールを決めておく
導入前にビジネスチャットを利用する際のルールを決めておきましょう。 ルールがないと社員がどう使ってよいのかわからず、浸透しなかったり逆に連絡に手間がかかったりしてしまうからです。
たとえば、電話やメールなどの既存の連絡手段との使い分けはどうするのか、トークルームを作成する基準などが挙げられます。 使用方法が人によって異なってしまうと、社内のコミュニケーションが乱れて社員のストレスになる可能性があります。 生産性の低下にもつながるため、事前にルールを決めておくようにしましょう。
④最初は試験的に導入する
ビジネスチャットの導入方法としては、試験的な導入がおすすめです。 導入する部署や期間を限定するなど、まずは小規模に始めてみましょう。
チャット利用時のルールなどは、実際に運用してみないとどんなルールが必要なのかが見えないことも多いです。 かと言って、社内全体に導入してからルールを定めるのでは混乱が大きくなってしまいます。 そのため、小規模に導入してみて社員からの声を拾い上げ、事前に決めておいたルールをブラッシュアップするのがおすすめです。
導入手順としては、以下のような流れになります。
- ①導入目的を明らかにしてツールを選ぶ
- ②利用ルールや社内研修などの準備をする
- ③小規模に仮導入してみる
- ④課題を洗い出して改善する
- ⑤導入範囲や期間を広げる
ビジネスチャットを導入して成功した企業例
ここまでビジネスチャットの導入について紹介しました。 しかし「本当に導入して生産性アップにつながるのか?」といった疑問を抱えている方もいるかもしれません。 ビジネスチャットを導入して成功した例を紹介しますので、参考にしてみてください。
株式会社京進は、ビジネスチャットの導入によって伝達のリアルタイム性と緊急時の連絡を強化することに成功しています。 教育・保育・介護サービスを提供しており、社員の外出が多くリアルタイムでの報告に問題を抱えていました。 ビジネスチャットツールの導入を検討しますが、ツールが多く選ぶのに時間がかかっていました。 そして、ツール選びをしている最中に自然災害が起こり、電話がつながらなくなったことで連絡手段の大切さを痛感したのです。
今ではビジネスチャットを導入したことで、通常時も緊急時も迅速な意思疎通が可能になり業務効率がアップしました。 ビジネスチャットの導入による成功事例についてより詳しく知りたい方や、他の事例についても知りたい方は以下のページから確認してみてください。
使いやすさで選ぶなら「InCircle」
「InCircle」はシンプルで使いやすいのが特徴のビジネスチャットツールです。 スマートフォンはもちろん、パソコンやタブレット端末・フィーチャーフォンでも使用可能です。 どの端末からでもシンプルで見やすい画面設計になっており、実際に導入した企業においても「使い方に困った社員がほとんどいなかった」との声があがっています。
セキュリティについてもNASAや、大企業も使用している「Amazon AWS」を使用することで高い安全性を誇っています。 使いやすさと安全性を兼ね備えたツールを利用したい方におすすめです。 1ユーザーあたり月額180円で使用できるため、コストパフォーマンスも高いです。
20ユーザー分の無料トライアルもあるので、実際に使ってから導入できますよ。
ビジネスチャットツールの選び方
ツールを選ぶ際には導入目的に沿ったものを選ぶことが重要だと前述しました。 そのほか、以下2つのポイントに注目することで、自社に合ったツールを見つけやすくなります。
- ①初期費用・月額費用が適正であるか
- ②使いやすいかどうか
①初期費用・月額費用が適正であるか
ツールを利用する際にはコストがかかります。 ビジネスチャットツールの多くは導入時にかかる初期費用と、継続的にかかる月額費用の2つを採用しています。 両方の価格を考慮した上で、自社で使用したい人数分の料金を割り出してみましょう。 無理なく継続的に利用できるツールを選ぶようにしてください。
また、コストの安さだけに注目するのではなく、費用対効果が高いかどうかも検討するとより後悔のない選択になります。
②使いやすいかどうか
導入目的に沿った機能があるかどうかやコストも重要ですが、使いやすさについても考慮するようにしてください。 どれだけコストが安く、機能が充実していても使いこなせなくては意味がないからです。 ツールが使いにくいと社員が従来通り、使い慣れている電話やメールを使用してしまい、社内に浸透しない可能性もあります。 画面が見やすく感覚的に操作できるツールを選んで、使用してもらいやすいようにしておきましょう。
以上2つのポイントを考慮しながら、複数のツールを比較して自社に合ったものを見つけてみてください。
以下の記事ではビジネスチャットツールを比較表にまとめているため、自社に合ったツールを探すのに役立ちます。 「ツールを比較する手間を省きたい」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>比較表
まとめ|ビジネスチャットを導入してメリットを享受しよう
ビジネスチャットを導入するメリットについて紹介しました。
ビジネスチャットを活用すると社内のコミュニケーションが円滑になり、業務効率がアップします。 また、情報管理がしやすくなることで実務に充てられる時間が増えるのも大きなメリットです。
社内の生産性に課題を感じている場合には、ビジネスチャットを導入してみてください。