地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター

従業員
1,205名

※2019年3月末現在

地方独立行政法人 堺市立病院機構 法人本部 法人事務部 総務室 中西 顕一郎 氏

※InCircle導入事例

導入事例ビジネスチャットが実現した「同時伝達×迅速で正確な情報共有」と業務効率・コミュニケーションの拡大

大阪府堺市で初めて高度医療機器である手術支援ロボット『ダビンチ』の導入や行政と一体におこなう医療体制の構築など、南大阪地区の高度医療推進の中心的役割を果たすべく鋭意努力を続けている「地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター」。
同院は大正12年の堺市立公民病院として始まり、平成24年に地方独立行政法人に移行、「地方独立行政法人堺市立病院機構 市立堺病院」と改称。平成27年に場所を移転、堺市で初めて三次救急を担う救命救急センターを備えた「地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター」として地域医療の中核を担い、平成30年には厚生労働省から大学病院本院に準ずる診療が可能として「DPC特定病院群」に指定される。

同院では緊急時の情報配信体制を模索し、グループウェアや内線、館内放送などを活用していたが、いずれのツールも関係者への同時伝達性と正確な情報共有の面において、さらなる改善の余地があると感じていた。

課題
  • 緊急時に同時伝達性をもたせつつ、正確に関係者に情報を共有する手段
解決策
  • ビジネスチャット 「InCircle」の導入
  • 自家開発「来院通知システム」とビジネスチャット の連携
効果
  • 院内従事者間の情報共有から、日常的なやり取りまで幅広いコミュニケーション網の実現
  • 来院通知システム連携により、手話が必要な患者様などへのスムーズなアテンドを実現
  • システムトラブル時の一斉同報機能による復旧への進捗状況や臨時的運用などの情報の迅速共有

より良い院内システム環境の模索を続ける中、感じていた緊急時情報共有の課題

堺市立総合医療センター InCircleご利用イメージ
チームのミッションは、院内のシステムを保全することとお伺いしました。具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?
中西様
堺市立総合医療センターの情報システム担当では、院内従事者が支障なくシステムを利用できる環境を保全することを使命としています。もちろん、ただ受動的にシステム環境を保全するだけではなく、院内従事者がより効率的に活用できるシステムの発掘も積極的に検討していますし、実際の導入も主体となって行なっています。現在では、電子カルテを含む40を超えるシステムの企画から運営、そして管理まで、2名の専任担当でおこなっています。

1,200人を超える院内従事者がいる中、わずか2名のご担当で40を超えるシステムを問題なく運用・保守するだけでも大変なことだと思います。
中西様
そうですね。だからこそ、万が一の際、例えばシステムがダウンしてしまった際などの関係者への緊急連絡では伝達の同時性、正確性、迅速性がとても重要だと常々考えていました。ビジネスチャットを導入する前は、緊急時の連絡手段は主に館内放送、PHSによる内線、グループウェアが主要な緊急連絡用のツールでした。しかし、それぞれのツールには弱点がありました。館内放送は、一斉に情報を伝えられるものの患者様など連絡を伝えないほうがよい第三者の方にも連絡が伝わってしまい余計な心配をかけてしまう恐れがありました。また、内線はバトン式に情報を伝えるため、連絡に時間がかかり、また伝達の過程で情報が若干ずれてしまうという点で正確性に欠ける。グループウェアは同時に、正確な情報を告知することはできましたが、その一方で受け取る側が意識して情報を閲覧しにいかなければならないという弱点がありました。そのような欠点をカバーしつつ、緊急時の情報を同時に、かつ正確、迅速に情報共有可能な手段を模索していました。

同時性・正確性・迅速性で可能を感じていたビジネスチャット

そのような課題感をお持ちの中、ビジネスチャットに着目されたきっかけは何だったのでしょうか?
中西様
実はビジネスチャットの院内利用の可能性には、かなり以前から注目していました。きっかけは総務省によるPHSの原則廃止予定に伴う、平成27年7月のスマートフォンの調達です。スマートフォンの契約上、予め他社のチャットアプリが同梱されていました。院内従事者は、同梱されていたチャットアプリを使って、テキストコミュニケーションの方法や情報共有など、ある程度使い勝手を理解することができ、これならば緊急時の連絡にも使えると考えました。
既存のチャットアプリが同梱されていたにも関わらず、ビジネスチャット 「InCircle」をご採用いただきました。ご採用の経緯と決め手は何だったのでしょうか。
中西様
同梱されていたチャットアプリはコスト面が高かったこと、また管理者側の機能として一部使い勝手の悪いところがあったため、再検討することにしました。そんな中、見つけたのがビジネスチャット InCircleです。検討時に考えていたことは、ビジネスチャットの機能が極めてシンプルで、わかりやすいこと。そして何より、スマートフォン導入ならではの効率化を実現したいと考えており、そのためにはAPI連携で自由にカスタマイズできる拡張性があることでした。院内ではITに強い人もいれば、あまり詳しくない人もいます。そのような中で、当初同梱されていたチャットアプリ同様、InCircleはシンプルな機能で、また先にお話しした通りAPI連携が実現できたことが決め手でした。システムに詳しくない方にも理解いただけるように簡単にお話しすると、API連携とはビジネスチャットInCircleと他のアプリケーションを繋いで、InCirle TALK上で他のアプリケーション情報を表示させたり、操作することができたりするものです。例えば一般企業などであれば、自社のシステムとつなぎ、ビジネスチャット上でシステム内の文章検索を行ったり、名刺管理サービスとつないで検索することで、名刺情報をビジネスチャット上に表示したりすることもできると思います。

ビジネスチャット 「InCircle」の導入はテストや検証をしながら、段階的に進められたのでしょうか。
中西様
いいえ、当時の対象全ユーザーに該当する400人に対して一斉公開しました。さらに、ビジネスチャットInCircleの導入時には、特に説明も必要ありませんでした。というのも、先にお話した通りInCircleはUIも含め、極めてシンプルな設計であり、スマートフォンの当初契約にバンドルされていたチャットで使い勝手を理解していた院内従事者にとっては、問題なくシームレスに移行することができると考えたためです。実際導入後も問題なく利用することができました。

緊急時連絡だけではない、ビジネスチャットが広げた業務効率化とコミュニケーションの拡大

ビジネスチャット「InCircle」が導入されたことで、皆様の業務に変化はありましたか。
中西様
そうですね。様々な場面で自然に使われるようになり、業務効率の向上だけでなく、院内従業者のコミュニケーション促進にも効果があったように感じています。日常での主な用途としては、カンファレンスの召集や院内従事者内での医学的な相談などの業務利用、そしてお弁当のアンケートなどにも使われていますが、院内のさまざまな業務に深く根付いてきたと実感しています。また脳外科分野だけではありますがビジネスチャット「InCircle」を活用して、CTスキャンやMRI画像を在宅中の医師に状況連携し、診察に活用できるような取り組みもさせていただいています。これはInCircleの特長の1つである高いセキュリティによって実現したことだと思っています。
当初、課題としてもたれていた緊急時の情報共有についてもお聞かせいただけますか。
中西様
まず、システムトラブルなど緊急時の情報共有については、ビジネスチャットによる一斉同報によって一定解決しました。そして復旧への進捗状況や臨時的運用など正確な情報をすみやかに関係者へ、逐一情報の共有ができるようになりました。また地震など万が一の自然災害に備えて、外来患者様の人数や傷病の状態、対応可能なスタッフの人数、入院患者様への対応制限、物資の残量など刻々と変化する経時活動記録(クロノロ)を撮影してビジネスチャット上で展開、リアルタイムにフィードバックすることも災害訓練で試験的に導入しました。訓練で感じたのは、緊急時の情報連携手段として文字を打つ、話すという行動より、クロノロを撮影して、画像として伝達することが一番早く、関係者にわかりやすいのではないかということです。災害対策本部の役割として各現場からの情報を集約し、限られたスタッフを含む資源を適切に現場に投入する必要があります。そういう意味においてもビジネスチャットを活用して情報を迅速に集約し、常に最新の状況に合わせた対応を現場に返すことに、可能性を感じています。緊急時対応とは少し話が異なりますが、ビジネスチャット「InCircle」の導入の決め手の1つでもあるAPI連携によって自家開発した「来院通知システム」とつないで、患者様の来院時対応にも利用しています。
来院通知システムとは、どのようなシステムなのでしょうか。
中西様
同システムは院内の電子カルテシステムを1分という極めて短い間隔で監視することで、任意に登録した患者様の来院を検出するものです。このシステムとビジネスチャット「InCircle」をAPIでシステム連携することで、対象となる患者様が来院された際に、システムで検知した来院の情報をビジネスチャット上に即時関係者へ伝達できるようになりました。例えば聴覚に障害をお持ちの患者様など付き添いが必要な方が来院された場合、InCircleに来院情報を展開することで、手話通訳者が迅速にアプローチできるようになりました。

システムとビジネスチャット を連携することで登録された患者様の来院を担当者に通知
ビジネスチャットを起点に、様々な取り組みをされており、私たちにも勉強になります。最後に今後、地方独立行政法人 堺市立病院機構の情報化で目標とされていることや、AI CROSSに期待することがあればお聞かせください。
中西様
そうですね、ビジネスチャット 「InCircle」については通話機能搭載がほしいので、ぜひ検討してほしいと思っています。そしてAPI連携としては、今はまだ「来院通知システム」との連携だけですが、ビジネスチャットを活用して患者様の検査結果を各関係者と主治医間でシームレスに連携することで、患者様へのさらなる迅速な診察につながるようにしていきたいと考えています。情報システム担当のメインミッションとしては、院内従事者が安心してシステムを安定的に利用できる環境を保全することにあります。ただ現状に満足することなく、これからもITを積極的に活用して、さらなる業務効率化の推進に取り組んでいきたいと考えています。厚生労働省の調査にもある通り、日本での医療分野での情報化はまだ途上です。私たちの取り組みが、少しでも他の医療機関などの更なる業務改善の取り組みの参考になり、医療従事者はもちろん、来院される患者様にとって今以上に良いサービスの提供につながっていけば幸いです。
当該施設で行われるイベントに参加する等、市民の方々に親しまれているマスコットキャラクターの「エバちゃん」
わたしたちAI CROSSもご利用者様の声を日々意識し、堺市立病院機構でビジネスチャットを利用いただいている院内従事者の皆様により良いサービス提供を目指すお手伝いができるよう今後とも頑張ってまいります!本日はどうもありがとうございました。
地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター

※掲載内容は取材当時のものです。(2019年3月時点)

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