古くから金属製品や食器の製造で知られる新潟県の燕三条地域。
同地域に本社を置き、地場産業を「梱包・パッケージング」の分野で60年以上も支え続けているのが株式会社ほしゆう様です。
地域のモノづくり企業に対し、多種多様な素材・形状・色彩・予算…の組み合わせでパッケージを提案する同社の営業活動は、独自のノウハウや顧客の嗜好の共有と継承が重要であると言います。
伝統の提案力をつなぐために導入された『Knowledge Suite』は、同社でどのような役割を果たしているのか。
導入を先導された海老塚様と、実際に営業の現場で『Knowledge Suite』を利用する小林様にお話をうかがいました。
営業活動における、各営業マンの経験・知恵・判断を情報として蓄積し、日々の営業活動へフィードバック、また新人教育へと活用するため。
社員の持つ名刺をデータで一括管理し、社の資産として営業やマーケティングに有効活用するため。
直感やセンスを必要とする営業活動において教育やノウハウの共有が難しく、良くも悪くも「後輩は先輩の背中を見て育て」という社風があった。
ITツールの導入経験が少なく、スケジュールや名刺、日報の管理などアナログ業務の割合が多かった。
『Knowledge Suite』上で社内コミュニケーションを行なうことで、社員同士の交流が活発に。各社員の持つ知見の共有にも期待が持てるようになった。
名刺管理を始めたことで顧客情報の見直しにもつながり、休眠顧客の存在や各顧客のステータスを意識しながらの営業活動ができるようになった。
まずは少人数から利用を開始。営業部門の新人に対して日報の提出など、小規模な利用から促すことで成功事例を作り、段階的に利用者を増やす。
一般の営業マンについては、まず名刺管理と顧客カルテ作りからスタート。SFAを使った営業スタイルの改革を意識してもらう。
海老塚様私が、当社にSFAを導入しようと考えたのが発端です。
私は当社に着任してまだ2年ほどなのですが、前職の営業部門で良かった点を当社にも取り入れようと思い、その1つがSFAの導入だったんですね。
前職では某大手メーカーのSFAを導入していて、それなりに活用できていたんです。
小林様併せて当社の営業部門には課題がありました。
当社が作っているのは商品を梱包するパッケージです。
売り物を作る企業様に対して、「この商品にはこんなパッケージはいかがでしょうか」と提案することが営業の仕事なのですが、この提案のしかたによって売れる営業・売れない営業の差が開いてしまうんです。
しかも提案のしかたというのは、言語化することが難しいんですね。
どんな素材でどんなデザインにするか、お客様のニーズをどう先読みするか…と、天性のセンスのようなものが大きな割合を占めるものですから…。
そのため、指導と言えば良くも悪くも「先輩の背中を見て学びなさい」ということを長年やってきたわけですが、これからの時代、それではもう立ち行かなくなるのではないかという危惧がありました。
天性のセンスは伝承できないとしても、それに代わる何らかの経験や情報、知見の伝承ができるツールが絶対に必要だと私も考えていたんです。
小林様ツールの類は、ほとんど使っていませんでした。
私は『Knowledge Suite』が導入されるまで、SFAという言葉そのものを知らなかったくらいですから…。
日報も紙で提出させていたことがありましたが、結局面倒で誰もやらなくなってしまうんですよね(笑)。
名刺管理も、スマートフォンの名刺読み取りアプリを個人的に使っている者が何名かいたくらいだと思います。
海老塚様スケジュールや案件の管理なども、ほとんど各個人の「頭の中」で管理しているような状態でした。
だから、初めて導入するSFAはなるべくシンプルで扱いやすいものを…と考えていました。