ペーパーレス化のメリットやデメリット・促進方法をご紹介

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ペーパーレス化のメリットやデメリット・促進方法をご紹介

ペーパーレス化とは文字通り紙を無くすことを意味しますが、ビジネスにおいては紙で運用されていた資料を電子ファイル化して業務効率の改善や経費の削減を図ることを指しています。日本でも国が旗振り役となって、ペーパーレス化を推進しているため、言葉自体は認知している方も多いと思います。しかし、その目的や効果について理解している方は少ないのではないでしょうか。そこで本稿ではペーパーレス化することで、具体的にどのようなメリットがあるのか、またペーパーレス化を推進していくためのポイントなどを紹介します。

ペーパーレス化の目的

ペーパーレス化の目的

ペーパーレス化の目的には様々なものがありますが、社会的な目的として挙げられるのは環境問題改善への取り組みです。紙の使用を減らすことで、森林伐採などの自然破壊を抑制することができますし、近年では国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)が注目を集めていることから、ペーパーレス化に取り組むことで、環境問題に取り組んでいる企業として社会にアピールすることもできます。

一方、ビジネスにおいてもペーパーレス化による効用は明確です。紙を無くすことでコスト削減に繋がることはもちろん、働き方改革の一環として印刷や捺印などの紙を使用することにより発生する業務負荷を取り払い、更なる業務効率化を目指すこともできます。また、昨今は社会情勢からテレワークを推進する企業も増えてきましたが、電子化により円滑にテレワークを実施できることもペーパーレス化が推進される理由の一つです。

ペーパーレス化の実情

ペーパーレス化の実情

ペーパーレス化自体は国が主導となって取り組みをはじめ、実は20年近く前から、電子帳簿保存法、電子署名法、e-文書法などペーパーレスに関わる法律が整備され始めました。
では20年経った今、どれほどペーパーレス化が進んだのでしょうか。

ペーパーロジック株式会社の調査によれば、「2020年に社内のペーパーレスの推進を実施したか」という質問に対し75.7%の企業が「積極的に行った」「ある程度行った」と回答しました。また、ペーパーレス化を行った企業に「ペーパーレス化を進めるシステムとして導入したものはなにか」という質問を行ったところ、電子ワークフロー・勤怠管理システム・経費精算システムなどの社内向けシステムが上位を占めました。

一方で、ペーパーレス化を行ったとする企業に「さらなるペーパーレスの推進のために、2021年度にペーパーレス化システム導入のための予算配分を予定/検討していますか」
という質問を行ったところ60.7%の企業が予定/検討していると回答しました。
(参照:ペーパーレス化に伴う2021年度予算に関する意識調査)

つまり、多くの企業がペーパーレス化に乗り出しているものの、完全なペーパーレス化を実行できている企業は少ないことがわかりました。では、企業がペーパーレス化を実行できない理由やペーパーレス化を思うように進められない理由にはどういったものがあるでしょうか。

ペーパーレス化の障壁となる問題

ペーパーレス化の障壁となる問題

今まで紙でおこなってきたものをやめて、ペーパーレス化をおこなうには、電子化に向けたシステムの導入やそれに向けた準備が必要です。こうした準備作業には単純な費用だけでなく、そのための労働力を割かねばならず、人的コストや導入コストという面から、ペーパーレス化の必要性を疑問視する立場もあります。また、労力や費用以外にも、ペーパーレス化にはさまざまな問題が立ちはだかります。例えば、社員間でのITリテラシー格差がある場合もペーパーレス化推進の障害となることがあります。特に企業の中核をなすベテラン社員の中にはITシステムの操作に不慣れな人も多いのです。

そういった新たなデバイスやシステムを導入する場合は利用できるようになるまでの時間も考えなければいけません。これまでのやり方から大幅に変わることになるので、不慣れなことやわからないことが増えてしまうと、ペーパーレス化にデメリットを感じる原因に繋がってしまうでしょう。

同様にシステム障害への不安から、ペーパーレス化に踏み切れない企業もあります。システム障害によって必要な時にデータの閲覧ができなくなったり、データそのものが紛失してしまわないかという懸念が挙げられがちですが、実際のところデータ化された文書や情報はクラウド上に保存でき、バックアップデータから復元することも可能なので、紛失の可能性は低いといえます。また、紙媒体にのみに頼っている場合は文書自体の紛失や損壊して閲覧できない状態になる危険性もあるため、よりリスクが高いと言えるのです。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化のメリット

さまざまな事情からペーパーレス化に踏み切れない企業が多くいますが、ペーパーレス化のメリットとデメリットをしっかりと理解することで、自社がペーパーレス化すべきなのかはっきりするかもしれません。それではまずはどういったメリットがあるのかを紹介します。

コスト削減

第一に紙の印刷に使用する用紙やインク代などのコスト削減がメリットとして挙げられます。また、紙の保管場所を削減することで空いたスペースの有効活用も期待できるようになります。さらに、企業間のファイルのやり取りを電子メールで送るようになれば、書類の郵送料も必要ありません。

業務の効率化

たとえば過去の書類を探したい時、まずは保管場所に行き、そこからさらに目当ての書類を探すために紙を1枚ずつ確認する時間がかかってしまいます。しかし、電子化することによってキーワード検索ができるようになるため、目的の書類を探しに行く手間もなしに抽出できるようになります。また、会議の際にも資料作成後に参加人数分の資料を印刷し、ホチキス止めをしてから各人に配布するといった手間が必要ですし、印刷後に誤植を見つけた場合はその修正にさらに手間取ることもあります。書類を電子化することで、これらの時間は全て削減可能になります。資料の閲覧、アップロード、共有の作業がオフィスだけでなく自宅でも行えるようになるため、テレワークの導入も手助けします。

企業のイメージアップ

ペーパーレス化は紙の原料となる森林破壊を抑制できるため、地球環境の保護に繋がります。また近年、地球温暖化や森林破壊などの環境問題への関心は高まり続けており、消費者間にも地球環境に配慮した企業を応援する気運があります。ペーパーレス化を行うことによって、地球環境に配慮している企業というイメージを与えることができるようになるのです。特に消費者向けのビジネスを展開している企業は売上UPに繋がる場合もあるため、ペーパーレス化に積極的に取り組むことは企業にとって大きなメリットとなります。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化のデメリット

さて、ペーパーレス化が企業にとって多くのメリットがあることが分かりました。それではデメリットにはどういったものがあるでしょうか、先ほど説明した部分でもありますが、改めて紹介します。

導入や運用にかかる様々なコスト

ペーパーレス化するためには、電子化された資料を閲覧するためにプリンターや、パソコン・スマートフォン・タブレットのような電子端末が必要になります。それだけでなく、データを共有・保管するためのネットワーク設備の導入が必要なため、いずれも導入コストやランニングコストがかかるので、あらかじめ必要な費用を算出しておくとよいでしょう。コスト的に厳しいときは部分運用からはじめるという方法もあります。

電子デバイスやサーバーの故障リスク

電子化した場合、紙のような劣化や破損がないため保存が利くと思われることも多いですが、電子化したデータを保管しているパソコンやサーバーも故障や破損などのリスクを含んでいます。そのため、紙と同様にしっかりとバックアップを取ったり、保管場所を複数に分けるなどの対策をとることが大切です。

情報セキュリティへの懸念

近年ではサーバー攻撃による情報流出事件なども珍しくなく、情報セキュリティの観点からペーパーレス化を躊躇する企業も少なくありません。また、電子化のための設備を導入する際に、IT知識が不足しているとどういったシステムやサービスのセキュリティが優れていて、なおかつ自社に適しているかも分からないことが参入への障壁を大きくしているでしょう。だからといって、紙で管理した方が情報セキュリティに優れているというわけでもなく、書類を入れたカバンを公共の場に置き忘れてしまった等で情報漏洩に繋がる場合も多々あります。ペーパーレス化においては、ITや情報セキュリティに対する知識をしっかり持つことや専任の担当者を用意するといった体制を整えることが大切です。

ペーパーレス化を進めるポイント

ペーパーレス化を進めるポイント

ペーパーレス化のメリットやデメリットはご理解いただけたとおもいます。
では実際にペーパーレス化を推進していくために押さえておくべきポイント4つを紹介します。

ポイント①:ペーパーレス化する業務や書類の洗い出し

まずは、すべての業務や書類を徹底的に洗い出し、ペーパーレス化すべきものとそうでないものを決めていきましょう。ひとりひとりの業務と細かい作業レベルまで洗い出してみると徐々にペーパーレス化できそうな業務が見えてきます。一方、すべて一律でペーパーレス化すると、業務によってはむしろ業務効率が落ちてしまう可能性がありますので、優先順位をつけてペーパーレス化を進めていくことが大切です。

ポイント②:あらかじめペーパーレス化の目的を明確にし、周知する

せっかくペーパーレス化を行ったのに、場合によってはむしろ効率が悪くなったり、ペーパーレス化のために導入されたシステムが利用されず失敗に終わってしまう場合が多々あります。そういったことを防ぐためには業務の洗い出しと同様に、ペーパーレス化の目的を明確にし、社内で周知することも大切です。目的が明確でないと、社員がペーパーレス化の意義を見出せず、せっかく導入したシステムが活用されません。どれほどのコストが削減できるか、どれほど業務効率が改善されるかを社員に共有し、ペーパーレス化の具体的なメリットを実感させることで、社内全体が積極的にペーパーレス化に取り組んでくれるようになるでしょう。

ポイント③:段階的なペーパーレス化

突然新しいものが導入されると拒否反応が生まれやすいので、まずはペーパーレス化の対象を上層部や一部の社員に絞り、実際に触れてもらうことで、意見や懸念点をあらかじめ集めておくと失敗し辛いでしょう。また、体験することで操作やメリットを改めて実感することができるため、運用マニュアルを事前に整えたり、ペーパーレスのファンを増やしておくことで社内全体に浸透しやすくなるでしょう。

ポイント④:電子化されたデータの運用ルールを決める

ペーパーレス化を推進する際、電子化されたデータどう扱うかルールを決めておかねばなりません。紙の書類の保管場所は不要になりますが、データを記録しておくためにサーバーの容量が必要で、際限なくデータをため込むことは不可能です。その場合はデータの保存期間や保存するフォルダ、そして保管しているフォルダへのアクセス権限などのルールを事細かく定めることが望ましいでしょう。また、保存期間の明確なものは定期的に破棄し整理するなどすると運用段階でトラブルが発生しづらくなるでしょう。

ペーパーレス化を進めるには情報の一元管理機能のあるクラウドサービスで進めるのが良い

ペーパーレス化を進めるには情報の一元管理機能のあるクラウドサービスで進めるのが良い

ペーパーレス化を推進する際に1からシステムを構築し、サーバー設備を整えると莫大なコストがかかってしまいます。さらに、ペーパーレス化が失敗した場合は導入のために投資した金額が無駄になってしまうことさえあります。こうしたリスクを避けるためにクラウドサービスを利用することをオススメします。クラウドサービスであれば、初期費用を抑えることができるので、万が一途中で利用を中止しても損害を少なく済ませることができます。
導入するクラウドサービスの機能や操作性も重要です。実際に使用する社員のITリテラシーに合わせてサービスを選定することで社員の使用率をあげることができるでしょう。

また、どんなクラウドサービスがペーパーレス化に適しているかというと、情報を一元管理する機能を持つサービスが好ましいでしょう。ここでいう情報の一元管理とは、各社員のパソコンなどに散らばって保管されているデータを一つのファイルサーバーにまとめて管理することを指しています。情報の一元管理機能によって必要なデータをすぐに探し出すことができますし、クラウドにより社内にデータを保存するためのサーバー環境を構築する必要もありません。今すぐペーパーレス化を推進するならそういった機能を持つサービスの検討から始めることをオススメします。

ペーパーレス化を進めるなら『Shelter』

ペーパーレス化を進めるなら『Shelter』

最後に、ペーパーレス化推進に適した当社のサービス『Shelter』を紹介します。『Shelter』は、利用ユーザー数無制限のクラウドサービスで、プログラミングの知識がなくとも誰でも簡単に自社に適した管理表を作成できるローコード開発プラットフォームです。スマホやタブレットなど様々なデバイスに対応し、詳細なアクセス権限の設定などもできるため、テレワークの推進や情報セキュリティの強化にも適しています。

また、クラウドサービスの為、新たにサーバー環境を構築する必要がなく、PDFやExcelファイルなども格納できるため情報の一括管理にも適しており、同時にチャットでのコミュニケーションも可能です。ペーパーレス化を検討されている企業にぜひおすすめしたいサービスになっておりますので、ぜひご一考ください。詳細が気になる方はこちらのページからご覧ください。

《『Shelter』公式サイト》
《『Shelter即効アプリシリーズ』》

まとめ

まとめ

お読みいただきありがとうございました。本稿ではペーパーレス化の目的やメリット・デメリットについて紹介してきました。最後に今回紹介した内容をおさらいします。

●ペーパーレス化の目的
ビジネスにおいてはコスト削減や業務効率化が主だが、環境問題への取り組みの一環としてペーパーレス化を推進する企業もある。

●ペーパーレス化の実情
7割以上の企業がペーパーレス化に関する取り組みを行っていたが、取り組みを行った企業の中でも6割以上が十分なペーパーレス化をできていないと感じており、完全なペーパーレス化を実行できている企業はまだまだ少ないとみられる。

●ペーパーレス化の障壁
システム導入費や、そのための労働力確保などの問題以外にも、ITリテラシー格差や情報セキュリティへの懸念といった問題が多くの企業でペーパーレス化の障壁となっている。

●ペーパーレス化のメリット
・コスト削減
・業務効率化
・企業のイメージアップ

●ペーパーレス化のデメリット
・導入や運用にかかる様々なコスト
・電子デバイスやサーバーの故障リスク
・情報セキュリティへの懸念

●ペーパーレス化のポイント
ポイント①:ペーパーレス化する業務や書類の洗い出し
ポイント②:あらかじめペーパーレス化の目的を明確にし、周知する
ポイント③:段階的なペーパーレス化
ポイント④:電子化されたデータの運用ルールを決める

ペーパーレス化は、多くの場合導入時にコストや労力がかかりますが、そういった準備をしっかりと行えば確実に業務効率化やコスト削減へ繋がる施策です。長期的にかかるコストで考えると実はペーパーレス化した方が安くすんだという場合がほとんどですので、ペーパーレス化を検討している企業はまずは自社の業務を全て洗い出して、どんな業務がペーパーレス化できるかを見定めてから、コスト面について検討することをオススメします。

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