不動産営業は営業の仕事の中でもきついとされています。

厚生労働省が行った調査によると、業界別の離職率で不動産業界は4位にランクインしています。

調査には営業職以外も含まれていますが、不動産業界においては営業職がもっとも人口が多いです。

ただ、いくら不動産営業がきつい仕事と言われていても「きつさを乗り越えたい」と思う方もいるでしょう。

そこでこの記事では、不動産営業がきつい理由とそこから抜け出す方法を紹介していきます。

「不動産営業の仕事がきつい」と感じている人は参考にしてみてください。

不動産営業がきつい理由5つ

まずは不動産営業がきつい理由を確認し、ご自身が置かれている状況を把握していきましょう。

不動産営業がきついと言われる理由は以下5つが挙げられます。

きつい理由を明確にすることで対処法が見えてきます。

「仕事がきついから転職したい」と感じている人もいるかと思いますが、転職はキャリアにおけるリスクが大きいです。

転職をした先でもきつい仕事が待っている可能性もあるからです。

あなたがきついと感じている理由によっては、転職せずとも解決する可能性もあります。

また、転職で自分にあった仕事に就くためにも、きついと感じている理由から避けるべき要素を知っておくことが重要です。

「早く抜け出したい」という気持ちもわかりますが、まずはきつい理由から確認していきましょう。

不動産営業がきつい理由①営業ノルマが多い

不動産営業にはノルマが課せられます。

賃貸営業なら仲介料、売買の場合には販売料と仲介手数料が会社の売上になります。

営業マンは会社の売上目標をノルマとして課せられるのですが、金額が大きいので達成するのはなかなか難しいです。

そもそも不動産は扱う金額が大きいため、顧客側も契約するかどうかをかなり慎重に考えています。

簡単に成約してもらえるわけではないのです。

しかし、ノルマを達成しないと上司から詰められるなどして会社での居心地が悪くなります。

「自分の居場所がない」「自分はただ使われるだけなんだ」と感じてしまい、強いストレスになるのです。

ノルマを達成できるかどうかで、自分自身の存在意義が決まるような感覚に陥ることもあるでしょう。

実際にはそんなことはないのですが、会社の雰囲気に呑まれると錯覚してしまうのです。

不動産営業がきつい理由②成果が出にくい営業手法もある

不動産営業には複数の営業手法が使われています。

顧客の来店を待つ場合もあれば、飛び込みやテレアポでこちらからアプローチする場合もあります。

基本的に、飛び込みやテレアポなどで営業マンから働きかける営業手法の方がきついです。

飛び込みやテレアポの顧客は、不動産に興味をもっていない可能性が高いからです。

来店してくる顧客はすでに不動産へ興味をもっているため、話を聞いてニーズに沿った提案をすれば問題ありません。

しかし、飛び込みやテレアポの場合には興味づけも行う必要があり、営業にかかる手間が多いのです。

それゆえに成約率も低く、200〜300件ほどアプローチしてようやく数件の成約が取れるような状態です。

さらに、毎日ひたすら数件の成約のために、数百件のアプローチを繰り返さなければなりません。

努力が報われない感覚に陥り「自分は一体何をしているんだろう」などと感じてしまいます。頑張りがなかなか成果に反映されず、評価もされないことに対してきついと感じるのです。

不動産営業がきつい理由③給料が安いこともある

不動産営業では給料が安くなってしまうこともあります。

成果に応じて支払われるインセンティブの割合が高いからです。

毎月必ずもらえる基本給は安く設定されていることもあり、成果を出さないと生活が苦しくなるのです。

生活も安定しないので精神的にも不安定になりやすく、仕事に集中しにくくなります。

さらに成果が出しにくくなり、給料が安くなるといった悪循環にはまってしまいます。

悪循環にはまると「何のために働いているのだろう…」と感じ、仕事がきつくなるのです。

悪循環から抜け出すためには、どれだけ成果を出すための取り組みができるかが鍵になります。

不動産営業がきつい理由④勤務時間が長く休みが少ない

不動産営業は勤務時間が長くなりやすく、思うように休みが取れないことが多いです。

仕事のスケジュールを顧客に合わせる必要があるからです。

たとえ休日であっても契約しそうな顧客が「その日しか空いていない」と言うのであれば、受けるしかありません。

ノルマをクリアしていくためには休日も働かなければならないのです。

ノルマに追われて仕事がきついと感じている状態で、毎日のように仕事をするのは大きなストレスになります。

限られた時間の中で成果を出し、ノルマを達成できるようになることを目指しましょう。

不動産営業がきつい理由⑤契約後もクレーム対応しなければならない

不動産営業は成約を獲得した後も、販売した顧客からのクレームに対応しなければいけません。

不動産は高額な買い物ですので、満足できないと顧客はかなり強い口調でクレームを入れてきます。

そもそも不満が生じないようにすることは不可能です。

ましてや厳しいノルマを抱えている状態で、顧客に満足してもらうことまで考えるのはかなり大変でしょう。

ただ、クレーム対応に時間を取られてしまうと、営業活動に割ける時間が減ってしまいます。

クレーム対応は精神的な疲労にもつながるので、健康にもよくありません。

一時的に成果が落ちたとしても、顧客の満足度アップに注力した方が結果的に成果を出しやすくなります。

なかなか難しい問題ではありますが、成約するだけでなく顧客の満足度アップを意識することが重要です。

不動産営業で成果をあげてきつい状態から抜け出そう

ここまで見てきたように、不動産営業がきつい理由の多くはノルマの達成が難しいことに起因します。

ノルマの達成のために休日も仕事をしたり、ノルマ未達で給料が下がったりするからです。

そのため、きつい状態から抜け出したい場合には、成果をあげることを考えていきましょう。

そして、成果をあげるためにはクロージングを強化することが重要です。

クロージングを強化すると自然と営業プロセス全体に意識が向き、うまくいかない原因が見つかりやすくなるからです。

営業にはさまざまなテクニックがありますが、テクニックだけではうまくいきません。

成約するかどうかの判断は、顧客から見て論理的・感情的に辻褄が合うかどうかによって決まります。

テクニックはその辻褄合わせを補助するためのものであり、もっとも重視すべきは営業全体の自然な流れです。正しくクロージングすることを考えると、そういった営業全体の流れに意識が向きます。「うまく成果が出ない」と感じている人は、クロージングについて理解を深めてみてください。

どうしてもきついと感じる場合には異動や転職も検討しよう

仕事には向き不向きがあります。

以下のように感じるのであれば、不動産営業に向いていないのかもしれません。

以上のように感じるなら、異動したり転職したりすることも検討してみましょう。

異動や転職を考えるときには、以下の項目を意識してみてください。

営業の仕事自体に苦痛を感じないのであれば、手法や顧客などを変えることで解決するでしょう。

大幅なキャリアチェンジが不要なので、転職もしやすく今まで身につけた営業スキルも無駄になりません。

「もう営業の仕事はしたくない」と感じるなら、他職種への転職も検討してみてください。

同じ不動産業界であれば業界知識が活かせるので、比較的、転職しやすいでしょう。

まとめ｜不動産営業できついなら抜け出す方法を実践しよう

不動産営業がきつい理由と抜け出す方法を紹介しました。

きつい状態を抜け出すときには、まず成果をあげる取り組みをしましょう。

現状でできることから取り組むことで、キャリア上のリスクを取り過ぎずに済むからです。

成果をあげてもきつい場合などは、異動や転職も検討してみてください。